五月五日。本日、端午の節句に候。~その1~

端午の節句です。

今年は、ちょうど日曜日に当たってくれましたので、我が家でも気持ち良く節句を祝えました。今更ながら、我が家の夕食は曜日によって食べるものが決まっておりますのでね。日曜日の晩は一汁三菜ですので、まさに最適。

やはり日本人である以上、季節の節目である節句はきちんと祝いたいものです。

端午の節句といえば、行うべき行事は

  • ちまきを食べる
  • 柏餅を食べる
  • 菖蒲湯に浸かる
  • 鯉のぼりを飾る
  • 五月人形を飾る

の5つでしょうかね。

どれも縁起を担ぐ行為ですが、今回は料理に関係している柏餅と菖蒲について書いてみましょう。ちまきは中国由来の慣習という以外、食べる理由は知りません。一応今回、柏餅もちまき(ちまき寿司)も手作りしています。

〜柏餅とちまき寿司〜

柏餅に込められているのは「家系が途絶えないように」という願いですね。これは柏が新芽を付けるまで古い葉が散らないというところに由来があるそうです。

一日の菖蒲は、本来的には”魔除け”ですね。香りの強い菖蒲には魔を寄せ付けない効力があるとされていたわけです。

ちなみに、今でこそ「桃の節句」が女の子のお祝い、「端午の節句」が男の子のお祝いと考えられていますが…。実は元はこの節句は女性のための節句だったのです。

詳しくは割愛しますがね、昔は田植えは女性の仕事で、また田植えの行われる五月は悪い月とされていたので、この日に菖蒲で魔除けをして女性を大切にしたわけですね。

ただ後々、「菖蒲」と「尚武」が同音であることや、菖蒲の葉が刀のようであることから、男の子のための節句に置き換わったわけです。確証はないですが、これは武家の台頭と関係があるのでしょうね。まあ、僕は理系の人間でこの辺は専門ではないので、あしからず。

とにかく元はこちらも女性のための日だったわけでして、端午の節句を”男の子の日”ではなく”こどもの日”としているのもその名残なのかなぁ?

だとすると誰もが一度は感じる「女の子は”ひな祭り”と”こどもの日”のどちらも祝われるのに、男の子は単独で祝われもせず、なんだかおざなり感があるな」という感想もあながち間違いではないかもしれません。雛人形が七段飾りであるのに対して兜飾りは五段飾りですしね。。

ちなみに、今年は実家で姉が僕の兜を飾ってくれたようですが、お約束の間違いをしてしまったそうです。何かというと刀の向きです。

多くの人が誤解しているようですが、兜飾りの刀は柄を下にして飾らなくてはいけないのです。あれには「刀を抜かない」という意図があり、つまり「平穏・平和」を祈るという意味合いがあるのです。お間違いなきよう。

さて、話が長くなりましたが、本題です。

節句をお祝いするということで、普段よりももうすこしばかり気合を入れてみました。

向付:とり貝と葉わさびの和え物

〜とり貝と葉わさびの和え物〜

調理手順メモ

<材料>

  • 葉わさび
  • とり貝
  • 濃口醤油
  • 薄口醤油
  • お酢
  • 出汁

<手順>

  1. 前もって葉わさびはさっと湯がいてから、濃口醤油につけておく。(葉わさびの醤油漬けを作る)
  2. 葉わさびの醤油漬けをさっと洗ってから、ざく切りにする。
  3. とり貝は出汁でさっと湯がく。
  4. お酢と薄口醤油を合わせて二杯酢を作る。
  5. 葉わさびのしょうゆ漬けととり貝を二杯酢であえて完成。

汁:焼きおあげと赤みずのたたきのお味噌汁

〜焼きおあげと赤みずのたたきのお味噌汁〜

調理手順メモ

<材料>

  • うすあげ
  • 赤みず
  • 実山椒
  • 味噌
  • 一番出汁

<手順>

  1. 赤みずはさっと湯がいて冷水に取る。
  2. まな板の上に、赤みず、実山椒、味噌を乗せて包丁の背でじゃう分に粘りが出るまで叩く。
  3. うすあげは七輪などで食感がザクザクになるように香ばしく焼き上げる。
  4. 一番出汁を熱し、擂った味噌をといて味噌汁を作る。
  5. 焼いたうすあげを味噌汁に浮かべ、赤みずのたたきを乗せて完成。

飯:ちまき寿司 煎り酒

〜ちまき寿司と煎り酒〜

端午の節句には粽を食べるとはいうものの、東西でも食べる粽は異なります。関西で粽といえば半透明の甘いお菓子ですが、関東ではおこわになります。他の地域については僕は知りませんが、粽の中身には少なからず地域差があることがわかります。

ちなみに京都の北山には500年もの歴史を誇る老舗「川端道喜」さんが居を構えておられて、そこの「水仙粽」は格別です。

さて…。では、粽に何を包むべきなのかと考えてみると…。

とりあえず、「粽」の本字(もともとの漢字)「糉」の字義は「蘆葉裹米也」であり、つまりは”米を蘆の葉で包んだもの”ということです。

と、すると米を包むことに本義があるというわけですな。というわけで、今回は出世魚であるスズキとカンパチを使ったお寿司を包むことにします。

今回は調味料には醤油ではなく煎り酒を使います。煎り酒は醤油以前から使われていた日本の調味料です。

調理手順メモ

<材料:寿司>

  • 白身魚(カンパチ、スズキ)
  • お酢:砂糖:塩 = 3 : 2 : 1
  • 白飯

<材料:菖蒲の煎り酒>

  • 日本酒
  • 昆布
  • 鰹節
  • 梅干しの種
  • 菖蒲

<手順>

  1. 鍋に日本酒を入れ、昆布をつけておく。
  2. 昆布が戻ったら鍋を火にかけ、梅干しの種と菖蒲を入れる。
  3. 煮立たせてアルコールが飛んだら、鰹節を加えて火を消す。
  4. 漉したら煎り酒の完成。
  5. 酢飯は、炊きたての白米にお酢、砂糖、塩を3:2:1で合わせた調味料を合わせて作る。
  6. 米をつぶさないように、杓文字で切るようにして返しながら混ぜていく。
  7. カンパチ、スズキはそぎ切りにする。
  8. 普通の寿司よりもひとまわりほど小さめにシャリを握り、ネタを乗せる、
  9. 寿司を笹の葉で包めば完成。

>>その2に続く

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